
はじめに
「最近SNSでよく見かける“エモい写真”。あれってどうやって撮ってるの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?実は今、フィルム調の加工や、ノスタルジックな色合いの”レトロ写真”が大人気です。
この記事では、RAW現像で“レトロ写真”を作る具体的テクニックをメインテーマとして
- レトロ写真とは何か?
- なぜ今ブームなのか?
- 撮影テクニックのコツ
- “実践”RAW現像で“レトロ写真”を作る具体的テクニック
- “番外”おすすめの加工アプリ
を、写真初心者〜誰でも実践できる形で丁寧に解説します。


レトロ写真とは?
レトロ写真とは、過去のフィルムカメラや家庭用写真のような色味・質感・光の雰囲気をデジタルで再現した写真スタイルです。特徴は以下の通り:
- 色あせたようなトーン(セピア・グリーン・イエロー系)
- 粗めの粒子感(ノイズ、グレイン)
- ピントの甘さや光漏れの演出
- 写ルンですやチェキを思わせる仕上がり


なぜレトロ写真が今、流行しているの?
理由は5つ
- 懐かしさ×癒し効果:忙しい現代社会で「ノスタルジー」に癒されたい人が増えている
- “新鮮な懐古趣味”:平成や昭和のカルチャーを“レトロかわいい”と再評価
- アプリで手軽に加工できる:無料でも本格的なフィルム風が楽しめる
- SNS映えのトレンド:Instagram・TikTokでは“エモい雰囲気”がフォロワーに刺さる
- 写ルンです・フィルムカメラの再ブーム:リアルな体験を求める動きもあり

撮影テクニック:レトロ写真を“それっぽく”見せる6つのコツ
- 逆光や斜光を活かす(シルエットやフレアを演出)
- 構図を緩くする(被写体の端切れや傾きも“味”)
- 余白を多くとる(静けさや懐かしさを強調)
- 時間帯は夕方や曇天がベスト(明暗差がレトロ感に直結)
- 被写体は日常的なものを(カフェ・電車・散歩道など)
- 加工で色温度を下げる or グリーン系に寄せる
撮影のコツについては、別の記事で詳しく解説しています。
「構図」「光の使い方」「距離感」など、エモいレトロ写真を撮るための実践テクニックをまとめていますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
RAW現像で「自分だけのレトロ色」を作ろう
レトロ写真は、加工アプリで簡単に再現できる一方、RAW現像を使うと“もっと本物っぽく・自分らしい色味”が表現できるのが魅力です。
「写真編集って難しそう…」と感じる方でも、ポイントを押さえれば安心。
この記事では、Lightroomなどを使って、初心者でも迷わず“エモくて懐かしい雰囲気”を出す調整方法を詳しく紹介します。
レトロ写真の5つの特徴
まずは「レトロ感」の正体を押さえておきましょう。
特徴 | 説明 |
---|---|
① 彩度が控えめ | 色がくすんで、派手さがない |
② やや黄色〜緑がかっている | 古い写真の色あせ表現 |
③ コントラストが低い | 柔らかく、落ち着いた印象 |
④ シャドウが明るめ | 黒が締まりすぎず、ゆるい |
⑤ 粒子感(グレイン)がある | フィルム特有のざらつき再現 |
基本調整:Lightroomなどで使える具体例
以下はLightroomでRAW現像をする場合の具体的な数値目安です。
ホワイトバランス(色温度)
- 目安:5000〜6000K(やや暖色)
- → 黄色っぽくすると“古さ”が出ます《例え》電球色のライトの下で撮ったような、柔らかい印象を出す
コントラスト・明るさ調整
項目 | 設定値 | 説明 |
---|---|---|
コントラスト | -10〜-20 | 柔らかい印象にする |
シャドウ | +20〜+40 | 黒つぶれを避けてゆるく |
ハイライト | -30〜-50 | 白飛びを抑えて雰囲気重視 |
白レベル | -10〜-20 | 画面全体を控えめに |
黒レベル | +10〜+20 | 締まりすぎない暗部に |
カラーミキサー(HSL)で作る“レトロ色”
LightroomのHSL機能で、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Luminance)を調整し、レトロなトーンを再現できます。
オレンジ・イエロー(人肌・夕景・カフェに重要)
- 色相:やや赤よりに(-5〜-10)
- 彩度:+10〜+20で暖かみアップ
- 明度:-10で落ち着いた雰囲気に
グリーン・アクア(背景や草木・空に効く)
- 色相:青よりに変更(+20前後)
- 彩度:-20〜-40(色をくすませる)
- 明度:-10で“フィルムの暗部感”再現
ブルー(空・服などの冷色要素)
- 彩度:-10〜-30でくすませる
- 明度:+5〜+10で優しく仕上げる
《例え》あえて色あせた“古い看板”や“90年代のプリントTシャツ”みたいな色づかい
トーンカーブで“フェード”を追加する
トーンカーブとは?
写真の明暗バランスを細かく調整できる機能。レトロ写真では**黒が真っ黒じゃない“白っぽい黒”**がカギです。
操作方法(ポイントだけ)
- 左下(シャドウ側)を上に持ち上げる → 黒がグレーに(フェード感)
- S字カーブでコントラストを弱めに
《例え》昔の写真で黒が締まりすぎず、ちょっと“白っぽく抜けてる”感じ
グレイン(粒子)を加えてフィルム感UP
項目 | 設定目安 |
---|---|
サイズ | 小〜中(15〜25) |
量 | 20〜40 |
粗さ | 中程度(20〜30) |
→ 粒子を加えることで「スマホでは撮れない風合い」が出せます。
画面が“ちょっとザラついてる”感じが、懐かしさと味わいをプラス。
プリセット化して一括適用しよう
お気に入りの調整が完成したら、プリセットとして保存することで、
- 一括編集が可能に
- SNS投稿時に統一感が出る
- “自分の色”が確立できる
Lightroomで「プリセット→新規作成」から、いつでも呼び出しOKです!
よくある質問(FAQ)
Q:最初はどの色から調整すべきですか?
→ A:ホワイトバランス(色温度)とオレンジのHSL調整から始めるのが簡単で効果的です。
Q:フィルム風を意識しすぎて不自然になります…
→ A:全体の彩度とコントラストを“控えめ”にして、“淡く・ゆるい”方向を意識しましょう。
Q:トーンカーブが難しい…
→ A:まずは左下(黒レベル)をほんの少しだけ持ち上げるだけでもレトロ感が出ます!
Q:最初はどの色から調整すべきですか?
→ A:ホワイトバランス(色温度)とオレンジのHSL調整から始めるのが簡単で効果的です。
Q:フィルム風を意識しすぎて不自然になります…
→ A:全体の彩度とコントラストを“控えめ”にして、“淡く・ゆるい”方向を意識しましょう。
Q:トーンカーブが難しい…
→ A:まずは左下(黒レベル)をほんの少しだけ持ち上げるだけでもレトロ感が出ます!
【2025年版】おすすめレトロ加工アプリ5選
とはいえ、「スマホで手軽にレトロ写真を楽しみたい!」という方のために、初心者でも使いやすいおすすめ加工アプリを5つ厳選してご紹介します。
アプリ名 | 特徴 | 無料/有料 |
---|---|---|
NOMO CAM | 写ルンです風の加工がワンタップ | 一部無料 |
HUJI CAM | 90年代のカメラ風、光漏れが自然 | 無料 |
VSCO | フィルム調フィルターが豊富 | 無料(有料版あり) |
Lightroom Mobile | 自由度の高い色調調整 | 無料(一部機能は有料) |
SNOW | スタンプや日付入りフィルターも多い | 無料 |
ポイント
- 初めてならHUJI CAMやNOMO CAMが超おすすめ
- 色味にこだわりたい人はVSCO+Lightroomの併用が最強
レトロ写真で広がる表現の世界【用途別アイデア】
- 旅行記録に: 映える風景をセピア調にして“旅の余韻”を残す
- カフェ巡り: コーヒーや照明の暖色がレトロ加工と相性抜群
- 日常スナップ: 散歩・空・部屋なども味わい深く
- 子どもやペット: “思い出感”が強調されて感情的な写真に
まとめ|RAW現像で、自分だけの“本物レトロ写真”を楽しもう
レトロ写真の魅力は、単なるフィルターや懐古趣味にとどまりません。
自分の感性で色味を調整し、ひとつひとつの写真に“記憶の温度”を吹き込める──それがRAW現像の大きな魅力です。
ここでご紹介したように:
- アプリに頼らず、自分好みのレトロ感をRAW現像で再現できる
- ポイントは「彩度を抑え・黄み寄せ・フェード感」を意識すること
- トーンカーブ・HSL・グレインは**“味”を決める三種の神器**
- 初心者でも少しずつ調整すれば、十分プロっぽい仕上がりが可能
- 撮影時のちょっとした工夫で、レタッチの質も格段に変わる
- レトロ写真は“懐かしさ”と“癒し”を届ける、新しい自己表現
- SNS投稿や思い出アルバムなど、日常の記録にも幅広く活用できる
写真は、感性とテクニックが交差する“表現の場”です。
RAW現像を取り入れることで、きっとあなたのレトロ写真も**「誰かの記憶に残る一枚」**へと進化していくはずです。


コメント