熱海とは?歴史と温泉が交差する写真映えの街
熱海(あたみ)とは、静岡県東部に位置する温泉地で、日本有数の観光地として知られています。海と山に囲まれた地形に恵まれ、古くから文人墨客に愛されてきました。
一見、温泉宿でのんびりするイメージが強い熱海ですが、カメラを手に歩くと、そこには歴史と自然、そして人々の営みが交差する魅力的な風景が広がっています。
この記事では、日帰りでも満喫できる熱海のフォトスポットを、初心者向けの撮影ポイントとともに紹介していきます。
熱海の歴史を紐解く:湯前神社と温泉の起源
湯前神社とは?
湯前神社(ゆぜんじんじゃ)とは、熱海の温泉の源泉「大湯」を祀る神社で、奈良時代に創建されたとされる歴史ある古社です。
熱海の地名の由来は、奈良時代に海中から熱湯が噴き出し魚が焼け死ぬという出来事にあります。困った漁民の声を聞いた僧・万巻上人が祈願を行い、泉脈を海から山へ移したという伝説が残っています。
その祈祷により湧き出たのが現在の「大湯」。その傍に建てられたのが湯前神社であり、今も熱海温泉の守護神として信仰を集めています。
湯前神社の撮影ポイント
- 時間帯:午前中の光が境内に柔らかく差し込み、温かみのある写真が撮れます。
- 構図:石鳥居を前景に、源泉の湯気を背景にすると、温泉地ならではの雰囲気が引き立ちます。

パワースポット來宮神社と伝説の大楠を撮る
來宮神社とは?
熱海のパワースポットとして名高い來宮神社(きのみやじんじゃ)とは、熱海市にある全国の「木宮神社」の総本社であり、樹齢2,000年超の御神木・大楠で知られています。この大楠はまさに生命そのものの象徴です。
JR来宮駅から徒歩5分ほど、緑に包まれた参道の先に現れる神秘的な空間。國の天然記念物に指定された御神木は、生命力そのものを感じさせる圧倒的な存在感を放っています。
大楠の伝説
- 幹を一周すると寿命が1年延びる。
- 願いを秘めて一周するとその願いが叶う。
來宮神社の由来・ご利益・祀られている神様とは?
熱海市に鎮座する來宮神社(きのみやじんじゃ)は、古くは「木宮明神(きのみやみょうじん)」と呼ばれ、木に宿る神を崇める信仰が息づく地として長い歴史を持ちます。名前の由来は、伊豆地方に数多く存在する「キノミヤ神社」と呼ばれる社の一つであり、共通して千年以上の御神木を擁するのが特徴です。これは、古来より人々が自然とともに生き、木々に感謝と畏敬を込めて祈りを捧げてきた文化の証とも言えるでしょう。
來宮神社の御祭神は、**大巳貴命(おおなむちのみこと)・日本武尊(やまとたけるのみこと)・五十猛命(いたけるのみこと)**の三柱。大巳貴命は商売繁盛・良縁招来、日本武尊は武運と決断力、五十猛命は樹木と自然保護の神として、それぞれの御神徳により厚い信仰を集めています。
また、來宮神社は**「断ち物の神様」**としても知られ、古くから禁酒や禁煙、賭博断ちなどを願う人々が絶えません。参拝を通じて、新たな一歩を踏み出す決意を後押ししてくれる場所として、多くの参拝者に親しまれています。
神秘的な御神木・大楠を前に、自然と向き合い、自分自身とも静かに対話できる──來宮神社は、そんな心洗われる特別な空間なのです。
Q:來宮神社の撮影でおすすめの時間帯は?
A:朝の光が差し込む午前中がベスト。柔らかい光が葉を通して幹にあたり、大楠の神秘性が際立ちます。
撮影のポイント
- 構図:参拝者を手前に、大楠を背景に配置することで、スケール感とストーリー性を演出。
- 演出:木漏れ日や光と影のコントラストを活かし、幻想的な雰囲気を表現。
龍神伝説と來宮神社の信仰
來宮神社には、江戸時代に起こったとされる龍神伝説があります。境内近くの川で水を汲んでいた農民の前に現れた龍が、「私はこの地の守護神・龍神」と語り、以後作物が豊かに実ったという話です。
この伝説が人々に語り継がれ、今も來宮神社は「水の守り神」として多くの人が訪れます。

伊豆山神社の本宮へ──信仰と自然が交わる山道
伊豆山神社とは?
伊豆山神社(いずさんじんじゃ)とは、熱海市の北部にある古社で、源頼朝や北条政子も信仰した霊場です。かつては「伊豆大権現」とも呼ばれ、関東一円の人々の信仰を集めていました。
登拝ルートと見どころ
- 本殿から本宮:徒歩約40分。山道が続くため歩きやすい靴が必須。
- 途中のスポット:結明神本社(縁結び)や白山神社遥拝所など。
- 自然との共存:苔むした祠、木漏れ日、渓流の音が静寂を演出。
Q:伊豆山神社で撮るべきタイミングは?
A:午後の斜光が差し込む時間帯が狙い目です。木々の隙間から漏れる光がドラマチックな写真を演出します。
カメラマン視点の魅力
- 光と影のコントラスト
- 人と自然、歴史との距離感を伝える構図
- 相模灘を背景にした山中の風景撮影
熱海の商店街スナップ撮影:昭和と令和の共存
商店街とは?
熱海駅周辺には、平和通り商店街、仲見世商店街、熱海銀座といった個性豊かな通りが広がります。古い看板や昭和レトロな店構え、新たにオープンしたカフェなどが混在し、“時間の積層”が感じられる場所です。
撮影アイデア
- モノクロで時代感を強調する
- 動きのある被写体(人の歩き・買い物風景)を組み込む
- 昔と今の対比が一枚に収まる構図を探す
熱海写真旅まとめ|あなたの1枚が語る物語に
熱海は、
- 歴史的な背景
- 豊かな自然
- 人々の営み が交差する、まさに「被写体の宝庫」。
3つのポイントまとめ
- 歴史の現場に触れられる神社仏閣:來宮神社、湯前神社、伊豆山神社
- カメラマン視点で構図と光を意識した撮影
- 昭和と令和が混在する街並みと商店街の表情
熱海は、日帰りでも十分に撮りごたえのある街。初心者カメラマンにとっても、構図や光の学びが得られる最高のロケーションです。
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