【保存版】絞りと被写界深度を完全マスター! 背景ボケの質を自在に操る撮影テクニック

目次

はじめに

カメラを使いこなすためには、「絞り(F値)」「シャッタースピード」「ISO感度」という基本的な3要素を理解することが重要です。しかし、これらを単体で考えるのではなく、写真全体の表現と組み合わせることで、より意図した写真を撮ることが可能になります。

特に「絞り」は、写真の明るさやピントの合う範囲(被写界深度)を大きく左右する重要な要素です。この記事では、絞りと被写界深度の関係を深く掘り下げ、単なる理論ではなく、実際の撮影に役立つ知識としてまとめました。

絞りとは?

▶ 絞り(F値)の基本

絞りは、レンズ内の開口部の大きさを決める要素であり、以下の2つに大きく影響を与えます。

・被写界深度

・ 光量(明るさ)

F値(F1.8, F2.8, F8など)を調整することで、どれだけの範囲にピントを合わせるかをコントロールできます。

  • F値が小さい(F1.8など) → 絞りが開く(光が多く入り、被写界深度が浅くなる)
  • F値が大きい(F11など) → 絞りが絞られる(光が少なくなり、被写界深度が深くなる)

絞りと被写界深度の関係

被写界深度とは、ピントが合う範囲のことであり、撮影の意図に応じて調整が必要です。

▶ 被写界深度が浅い(背景がボケる)

  • F値を小さくする(F1.8など)
  • 焦点距離を長くする(85mm以上の望遠レンズ)
  • 被写体に近づく

▶ 被写界深度が深い(全体にピントが合う)

  • F値を大きくする(F8~F11)
  • 広角レンズ(24mm以下)を使用する
  • 被写体から距離を取る

なぜ絞りを開くと背景がボケるのか?

これは、光の進み方とレンズの光学的な特性が関係しています。

▶ 光の進み方と焦点の合い方

  1. F1.8(絞り開放)
    • レンズの端からも光が入るため、光が様々な角度から集まる
    • ピントが合う範囲が狭くなり、背景がボケる
  2. F11(絞る)
    • 光がレンズの中心を通るため、直線的に進みやすい
    • ピントが合う範囲が広くなり、背景までシャープに映る

この光学的な現象により、ポートレートでは絞りを開いて背景をぼかし、風景撮影では絞って全体にピントを合わせるという調整が行われるのです。

球面収差とボケの質の関係

「ボケ」と一口に言っても、レンズの種類によってボケの形や滑らかさが異なります。これに大きく関わるのが球面収差です。

球面収差とは?

球面収差とは、レンズの中心を通る光と、レンズの端(周辺部)を通る光とで、ピントが合う位置がズレる現象のことです。簡単に言えば、光が一点にきれいに集まらず、バラついてしまうために、ピントの精度が低下するという事です。

  • 球面収差が大きいレンズ → 柔らかいボケ、幻想的な描写
  • 球面収差が抑えられたレンズ → シャープなピント、クッキリしたボケ

つまり、レンズの端の部分を通る光と、レンズの中心を通る光では、ピントが合う位置が微妙にズレる現象。絞りを開くと、このズレが大きくなり、ピントが合う範囲が狭くなる。絞ると、レンズの中心部分の光だけを使うことになり、このズレが減るため、ピントが合う範囲が広くなる。

オールドレンズと現代レンズの球面収差の違い

オールドレンズの特徴

オールドレンズは、現代のレンズとは違い、球面収差が強く残っているものが多く、独特の「にじみ」や「ふんわりとしたボケ」が特徴です。ふわっとしたボケの中にキリッとしたピントが出せるオールドレンズが個人的には好みです。

オールドレンズの魅力

  • 球面収差が多いため、ピントが合っている部分でも柔らかい描写
  • ボケが流れるような美しい表現が可能
  • 現代のレンズにはないノスタルジックな雰囲気を出せる

 現代のレンズの特徴

現代の高性能なレンズでは、球面収差を抑えるために非球面レンズが採用されています。

 代表的な高性能レンズ

  • Sony G Master(GM)シリーズ
  • Canon Lレンズ
  • Nikon Zシリーズ

非球面レンズを使用することで、開放F値でもシャープなピントが得られ、プロフェッショナルな描写が可能になります。

焦点距離と被写界深度の関係

被写界深度はF値だけでなく、レンズの焦点距離によっても変化します。

望遠レンズほどボケやすい理由

  • 広角レンズ(24mm以下) → 画角が広く、背景までピントが合いやすい
  • 望遠レンズ(85mm以上) → 背景が圧縮され、ボケが大きくなる

 背景をボカすための基本設定

  1. F値を小さくする(F1.8など)
  2. 望遠レンズを使用する(85mm以上)
  3. 被写体に近づく

実践テクニック 状況に応じた絞りの使い分け

ポートレート撮影

背景をふんわりボカしたい

  • 設定例:F1.8~F2.8 / 85mm / 被写体に近づく
  • ポイント:背景がボケることで被写体が際立つ

風景・建築撮影

手前から奥までしっかりピントを合わせたい

  • 設定例:F8~F11 / 24mm / 三脚を使用
  • ポイント:広角レンズ+絞ることで全体にピントを合わせる

 マクロ撮影

小さい被写体にピントを合わせつつ背景も調整

  • 設定例:F4~F8 / 100mmマクロ / 三脚使用
  • ポイント:被写界深度が極端に浅くなるため、F値で微調整する

まとめ

  • 絞り(F値)は、被写界深度と光量をコントロールする重要な要素
  • F値を小さくするとボケが大きくなり、F値を大きくするとピントの合う範囲が広がる
  • 球面収差がボケの質に影響を与える
  • 焦点距離が長い(望遠)ほど背景がボケやすい
  • 被写体との距離も被写界深度に影響を与える
  • 撮影シーンに応じて適切なF値とレンズを選ぶことが重要

絞りの調整をマスターすれば、思い通りの写真表現が可能になります。今回の知識を活かし、より一歩踏み込んだ撮影にチャレンジしてみましょう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次