カメラを手にした日:写真家としての初歩からデビューまで

目次

  • 写真家としての旅の始ま
  • 照明とストロボの使い方
  • 被写体との距離感の計算
  • デビューへの道
  • アルバム作成
  • 忘れられないデビュー

私が写真業界に足を踏み入れたのは2003年のことでした。

当時はデジタルカメラが普及する前で、フィルムカメラが全盛期でした。

最初に現場で使用したカメラはニコンのF3で、オートフォーカスがかろうじて搭載されていました。

ストロボはガイドナンバー480を基にして絞りを計算するタイプでした。

例えば、被写体までの距離が3メートルで、ガイドナンバー24に設定した場合、

直接光を当てた場合の絞りはf8となります。24÷3=8です。

バウンス撮影の際は、天井の高さを目測で評価し、絞りを再計算します。

当時はネガフィルムを使用しており、絞りを誤るとオーバー露出の写真になりがちでした。

チャージにも時間がかかり、連射撮影ではストロボが追いつかず、

フィルムだったので無駄にシャッターを切ることができませんでした。

一カット一カットに集中して撮影に臨んでいました。

瞬きを確認するため、左目(ファインダーをのぞいていない目)でしっかりと瞬きをチェックしていました。

この注意深さが非常に重要で、シャッターを切るタイミングを見極めていました。

今振り返ると、非常に高度なスキルが必要だったと感じます。

初めての頃はシャッターを切ることが怖いほど緊張していましたが、

徐々に慣れ、技術を習得していく実感がありました。

週末に撮影し、月曜日にフィルムを現像に出し、木曜日か金曜日にはネガが戻ってくるというサイクルで、

結果を確認し、上司にチェックしてもらいながら学び、次の週末にそのフィードバックを生かして撮影に臨んでいました。

私のデビューは、業界の標準に比べると遅れて6ヶ月かかりました。

ウェディングの撮影はまだ担当していませんでしたが、結納式の撮影がデビューとなりました。

一人で現場に入り撮影を行い、その場の雰囲気に飲まれながらも一生懸命撮影をし、そのカップルからは指名を受けることとなりました。それが私のデビューとなります。

デビューから指名で、大変な緊張と使命感に押しつぶされそうになりましたが、

先輩からはいつも以上に多くのフィルムをもらい、13本を大切に使い切りました。

36枚撮りのフィルム13本で、約468カットになります。

もちろんフィルムも納品するため、不要なカットは最小限に抑える必要がありました。

瞬きが多い二人の時は特に大変でした。

何もかもが初めての経験で忘れられないものになりました。

撮影が無事に終わり、達成感を感じながら、長い緊張から解放された時の感覚は今でも鮮明に覚えています。

ネガをチェックして、使用するカットに印をつけてプリントし、手作りでアルバムを作成しました。

当時の製本技術が今ほど発展していなかったため、一冊一冊が手作りでした。

完成したアルバムをお客様に納品する際、通常はカメラマンが同席することはないのですが、

この時だけは例外で同席させていただき、お客様が写真を見る表情は一生忘れられないものになりました。

そして、後日、「一生の宝物にします」とお手紙をいただき、感動的なデビューとなりました。

この時期初めて自分で買ったカメラがリコーのGR。

その写真の数々・・

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